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2024 .05.03
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IMG_3454.jpg 朝起きると、まずは自転車で出られるかどうかを確認する為に窓の外を見ます。細かい雪がわずかに舞っている様子ですが、大丈夫そうなので準備して出かける事にしました。放射冷却の為か路面は凍結しています。気をつけているつもりですが、一度転倒。スネを打ちましたが、そのまま自転車に乗ります。冷たい風も少し和らいで防寒装備も少しずつ少なくしています。それでも30分も走ると汗がにじむ程になります。本当なら次々脱いで行きたいのてすが、荷物が増えると厄介なのでそのまま走ります。やがて路面の雪も氷も無くなり走りやすい道になった頃、専門校に到着です。


 今日は1限目からOJTでした。植物工場に観察記録に行く事にしていたので仲間に車を出してもらって現場に向かいました。省エネチームはデータの取りまとめ。バイオ燃料チームは実験をしていた様です。排水処理チームは打ち合わせ。その他新庄の小水力発電施設の見学に出かけるグループもありました。


IMG_3456.jpg

 植物工場で実験を進めていた小松菜は1期目を収穫して土を入れ換えることになっています。4つのプランターの内1つだけの栽培を続行しています。小さな容器なので苗の間隔を確保するのが難しいのですが、本葉が出て葉脈もしっかりして来ました。

IMG_3463.jpg 椎茸の菌床ブロックを観察すると相変わらず2期目の発芽が見られません。原因が解らず途方に暮れるばかりです。比較的栽培が容易である事と踏んでいたので、2期目で発芽しなくなる事は想定外なのです。実験室で栽培している菌床ブロックの中でも状態に違いが見られます。ひとつは含水率が高く、表面はカビのようなコロニーが観察できます。触ってみるとフワフワとスポンジのような感触でした。もうひとつは表面が乾いていますが、弾力があるもの。そして表面が乾いていて菌床に触ってみると締まりがあるもの。最も懸念されるのは含水率が高くスポンジ状の菌床ブロックです。表面にはハエの幼虫のような虫も見つかりました。この虫が菌床内部まで入り込んでいる事を心配しましたが、菌床内部はまだおがくずの様にきれいな色をしている様です。専門校へ戻って調べてみることにしました。

 まず、小さな虫はやはりハエの仲間のようですが、キノコそのものを食害する事はない様です。それより問題なのはカビです。ここまで来て改めて知る事になったのは、椎茸が好気性であると言う事です。現在、植物工場の実験室に出かけるのは2日に1回程度。専門校のカリキュラムもある為、毎日出かける事は難しくなっています。それで一日一回は、袋を開けて空気を入れ換えると言う作業が二日に一回になってしまっています。おそらくそれに加えて良くないのは、菌床ブロックを大切にするあまり湿度確保が過剰なっていると言う事です。これは管理体制が二日に一回であることも問題なのでやむを得ない事です。しかし、その為に通気性が悪くなり椎茸の呼吸が充分ではないかもしれません。そして、呼吸が充分でない事によって椎茸の菌が弱ってくると天敵であるトリコデルマと言う菌が繁殖を始め、椎茸菌に影響する様になるのだと言う事を知りました。そこでこのトリコデルマと言う菌について調べ始めたのですが、このトリコデルマと言う菌は、自然界に広く分布している事が解りました。ここまでは「やっかいにな菌だなぁ」と言う印象だったのですが、椎茸の天敵である一方で病害菌の発生を抑制する働きをするため、培養土に添加する等して有効利用されている事が解りました。さらに驚くべきは、このトリコデルマはセルロース分解酵素であるセルラーゼを生産する菌として有名なのだとか。トリコデルマ菌と言っても細分化された種があるようです。したがって、今回の椎茸菌床で繁殖しているものがトリコデルマだとしても果たしてセルラーゼを高生産する種であるかどうか不明ですが、椎茸の菌床栽培によって当初考えていなかった事をいくつか勉強する事になりました。


 今日のお弁当♪


IMG_3474.jpg

 椎茸の菌床から分泌される水分の中にダイオキシンを分解すると言うリグニン分解酵素があると言う情報を得ていましたので、この水分が貴重であると言う認識がありました。ところが、どうやらこのリグニン分解酵素を含む水分がトリコデルマ菌が繁殖する原因になっている可能性が出てきました。つまり、椎茸の菌床の湿度を確保する為には新鮮な空気と新鮮な水が不可欠であると言う事になるでしょうか。椎茸をとりまく環境は生命体の循環モデルの様で興味は尽きません。

 子供の頃を思い返すと、茸採りを趣味にしていた父に連れられて山に入っていました。最大の目標は松茸でしたが、トキイロラッパタケやセンボンシメジ、ムラサキシメジ、ハエトリシメジ、コウタケ等のキノコに出会う機会に恵まれていました。そして父は、松茸の胞子を採取して自家製の実験箱で栽培実験をしていたのです。その実験が成功する事はなかったのですが、今の様にインターネットで情報を収集できていたら、父はその中からどんな情報を得ていたでしょうか。

 2004年にトリコデルマ・リセイ菌を利用したセルロースによるバイオエタノール生産の為に小さな工場を開設したカナダの企業は、2年間で250キロリットル弱のエタノールを生産したそうです。そしてガソリンを85%混ぜた燃料で実際に数十台の車両の燃料として利用されたとか。

 椎茸栽培がバイオ燃料へ繋がってしまったことに驚いてしまいました。


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