[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
時折雪のちらつく月曜日。今日は休講日ですが、仲間と椎茸の成長具合を確認するため現場へ向かいました。
到着すると早速椎茸の成長具合を確認します。
まず順調に成長しているのは、植物工場実験室内で光のない状態で栽培実験をしている菌床ブロックの椎茸です。温度がとても良い状態を維持できているようで、傘に厚みがあり量感があります。
続いて青色発光ダイオードの光を当てた椎茸は、個体数が少ないので心配していたものの順調に大きくなっている様子です。一同を驚かせたのは、その椎茸の色です。光のない状態で栽培しているものの傘が灰色であるのに対し、青色LEDで栽培したものは黒々としています。
その後、実験室外に設置した椎茸菌床を確認すると、やはり温度が低過ぎるようで、設置した時とほとんどせいちょうに変化がない様です。温度の低い環境ならじっくりと肉厚の椎茸が成長すると見込んでいたのですが、条件が厳し過ぎた様です。つまり、栽培のポイントは菌床を栽培する環境と菌床の性質をマッチングさせる事と言えるかもしれません。比較実験をする事によって生育状態にこれほどの差が出る事を確認できました。これは予想以上の結果です。
さて、それから専門校の教室に設置してある椎茸を確認に出かけました。否が応にも期待が高まります。そして、教室に入るとひんやりと冷たい空気感に出迎えられました。そうです。休講日とあって暖房を入れていないため、気温が下がったままなのです。椎茸を取り出して息を呑みました。成長は進み、個体数は多いのですが、様子がおかしいと一同が感じました。カビと断定出来るレベルではない様ですが、一部がしもやけの様に色が違う様です。部屋の気温を確認すると10度でした。この菌床の生育温度は12度から25度であるため、日中の室温が生育温度を既に下回っている事が解ります。明日、もう一日休講日であるため、寒い室内で栽培ほ続行する事になります。何とか保ってくれるでしょうか。低温には強いと予想していたのですが、ここでも低温が問題になりました。しかし、これは地熱によって温度を維持する事の意味があることを立証することになります。
この栽培実験は菌床を利用したものですから、最終的には味がどうなのかと言う点も重要です。菌床による栽培実験で地熱の利用が有効と言う事になれば、原木栽培ではどうなのだろうと言う発想に繋がるのではないかと思います。しかし、原木栽培の場合は発生させるまでの時間や必要な栽培面積に対する収量など菌床栽培に比べて不利な点も考えられます。菌床による栽培で、味のコントロールも出来る様になれば、もう一歩踏み込んだ栽培が可能になるかもしれません。
さらに椎茸の品種についても考える必要があるかも知れません。菌床を4つのパターンに分けて栽培しただけでまるで表情の違う椎茸が成長しつつある為、品種をどこで見分けるのか非常に難しい事だと思うのですが、少なくても菌株によって適正な生育温度がある事からも品種による温度管理は重要になります。これはもうひとつの可能性があります。地熱による温度管理を行っている現状であっても、季節による気温の変化の影響を受けているため、年間で最も低いと考えられる1〜2月で成長する品種から春に向かって栽培する品種を選定して栽培する事で品種にバリエーションを持たせる事が出来ます。
今後の展開が楽しみです。