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山形県内で雪が降ったと言う話が伝わってきました。昨日に引き続き自宅でビオトープに関する課題に取り組んでいたので外の様子が解りません。窓から外を見たらせっかくの干し柿が雨に濡れていました。雨が上がる頃には紅葉していた木々も葉を落としていることでしょう。
雪の報せが届き、落葉の時期を過ぎれば、山や川に溢れていた様々な生命はまるで息絶えたかの様に身を潜めます。あるものは次世代に命のタスキを託し、あるものは仮死状態で春を待ち、またあるものは生命維持の為に暖かな場所を求めます。冬を迎えると言うことは、活動を休止させることであり、次の季節の為に体力を温存させる時期でもあります。植物を餌として生活する草食動物は、植物が激減する冬に活動することは困難です。そしてその草食動物を補食することによって生命活動をしている肉食動物も草食動物が活動しない時期に活動を続けることは困難になります。そうすると、動物の生命を握っているのは植物であると言うことにならないでしょうか。
春になって動物が活動を開始する時、そこに活動源となる植物か、または補食すべき草食動物が存在しなければ、活動を再開することは不可能なわけです。よくよく観察すると、それは春になって植物が活動を再開してから様々な動物が繰り返す生命活動と緻密な繋がりを持っているようです。若葉萌える頃に生命活動が再開され、新しい生命が生まれ、エネルギー源が必要とされる頃に必要な食事が用意されていなくては食物連鎖そのものが成り立たないことになってしまいます。
雑草と称される植物群は、次から次へと絶えず交代を繰り返しています。その植物の交代に併せて昆虫等の小動物も交代し鳥や爬虫類、両生類、哺乳類と食物連鎖のピラミッドを支えているわけです。そのサイクルが不順で不具合が発生した時、その異常は生命全体に影響することになりかねません。
動物の中には、特定の食べ物しか食べない者もいます。それは対象となる餌がない状況では活動できません。雑食であることは、それだけで生命維持を安定的にすることが可能でしょう。しかし、山から下りてくる野生動物は、雑食ではないでしょうか。餌となる対象が多種に渡ることで生命維持の安定性を保っているはずの雑食動物が山から下りてくると言うことは、餌に特定の対象しか持たない動物はさらに危機的状況にあると考えられます。「山から下りて来ない」のではなく「山から下りて来られない」のではないでしょうか。山から下りた所で食べる物がないのであれば、山で空腹を抱えるしかありません。
山形県尾花沢市に徳良湖には毎年のたくさんの白鳥や鴨が集まります。鳥インフルエンザ騒ぎ以来、餌付けが自粛されていますが、厳寒期には野鳥であるはずの鴨が餌を求めて人間の後ろをついて歩くこともありました。
山から下りてくる野生動物は、その危機的状況を報せに下りて来ている使者なのかも知れません。その使者に対してどんな態度で接するのが適切なのでしょう。